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入院して医療費が高額だったのに、確定申告しても還付金が出なかった。
税務署に言われた「医療費は税金ではない」ってどういうこと?
医療費控除という言葉から、「医療費が返ってくる」と思っている人は多い。
だが実際には、還付金=医療費ではないし、税金=医療費でもない。
この誤解は、確定申告における基本の仕組みを知らないことから起きている。
医療費控除は、医療費の一部を差し引くことで所得税や住民税を軽くする制度、数ある"所得控除"の内の一つだ。
だが、還付金というのは「すでに納めすぎた税金」がある場合にしか発生しない。
つまり、そもそも所得税をあらかじめ負担していなければ、還ってくるお金は無いのだ。
だから「医療費の返金」と考えると、大きな勘違いになる。
特に給与所得者が受け取る還付金の多くは、給与からの源泉徴収であらかじめ所得税が引かれている場合に限られる。
その前提がない人、例えばパートをしていても現実に源泉徴収がされていない人、自営業者などで予定納税がない人にとっては、医療費控除などの所得控除があっても確定申告による納税額の計算が有利になるだけで、還付額は発生しない。
また、所得控除が所得金額を超えてマイナスになったからといって、そのマイナスがそのまま還付金になるわけでもない。
したがって「病気でお金がかかったのに、何も戻ってこなかった」というケースは決して珍しくない。
こうした誤解を招く一因として、テレビやネット記事の「医療費が戻る」といったキャッチーな見出しの存在がある。
実際には「税金が軽くなる」仕組みを説明しているのだが、表現が曖昧なまま拡散され、誤解が広がってしまう。
医療費控除について正しく理解するためには、自分の課税状況を把握することが必要だ。
"源泉徴収票"を確認し、"源泉徴収税額"欄からどれだけ税金を納めていたのかを見てみよう。
国税庁ホームページから"確定申告作成コーナー"を使えば、どれくらいの所得税の負担軽減・還付額が期待できるか、お試しでも確認できる。
ちなみに、医療費控除を活用するには、病院や薬局でのレシートや領収書を確実に保存して、確定申告の際にしっかり"医療費控除の明細書"を作成することが大切だ。
"医療費のお知らせ"でも代用できるが、レシートや領収書で確認しつつ医療費の計算をした方が手っ取り早いし、確実だ。
家族分を合算して申告することもできるので、1年分の医療支出をしっかり管理しておきたい。
さらに、その年の所得税の確定申告で医療費控除があれば、翌年度の住民税にも医療費控除が適用される。
例えば、所得税で令和6年分の医療費控除があれば、住民税の令和7年度分にも医療費控除が適用される格好になる。
医療費控除を適用しても所得税の還付額が発生しなかった場合でも、とりあえず確定申告しておくのが間違いない。
ただし、公的年金の"申告不要制度"の該当者で、確定申告をすると納税額が発生してしまう場合は、住民税の申告だけ単独で市町村役場あてに提出するのがおトクである。
ほとんどのサラリーマンは会社がやってくれるから、とにかく税金とか社会保険料に疎い。
「何となく高い」で終わらせず、こういった本で最低限の知識は入れておきたい。
・書籍「会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本」:Amazonで見る
いつももらう"給与明細"や"源泉徴収票"の内容を理解していないサラリーマンは多い。
見慣れない単語が並んでいるけど「会社がやってくれてるから間違いないだろう⋯」で終わらせている人も多い。
しかし、断言するが「事業者側も間違う」。
特に小規模な事業者。
自分の収入から引かれているお金のことをちゃんと理解して、自分の防御力を上げていく。
医療費控除は決して「病気の補償」ではないし、税金が医療費に使われているわけでもない。
医療と税の関係はあくまで「節税の仕組み」として考えることが大切だ。
期待値だけで判断せず、制度を知った上でうまく活用していこう。
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